引き取ってきたHF21S(スピアーノ)、機関も外装も悪くないのだけどエアコンが全く動かない。
A/Cボタン押してもコンプレッサー回らない。取り敢えず低圧側からエアコンガスを補充してみたらコンプレッサーは回り始めたけれど、低圧側の圧力が高いまま下がらないし全く冷えない。
この仕事を始めてからガスの補充くらいはするようになったけれど、エアコン自体の修理は直らなかったときの損害が大きくて手が出せなかった。
今回は最初から壊れてので・・・ダメ元でエアコン修理に取組んでみようと思います。
まずは、エアコンの仕組みを頭に入れるために数あるサイトからチョイスしてまとめてみました。
◎カーエアコンの仕組み
一番分かりやすかった(有)八千代電気様https://ydk.car-denso.net/lineup/ac/aircon2.html
の絵を拝借しております。

エバポレーター(蒸発器)
冷媒が気化することによってパイプの周囲から熱を奪い、室内を冷やす部分。ここで冷やされた空気をブロワファンにより車室内に送風する。
コンプレッサー(圧縮機)
エバポレーターで蒸発した冷媒ガスを吸入・圧縮し、コンデンサーでの液化を容易にするため加圧している。マグネットクラッチを介してエンジン回転により駆動され、エアコンシステムの心臓部とも言える。内部はピストン/シリンダーで構成されエンジンと似た構造であり、同様に潤滑が不可欠となる。(潤滑用のオイルは冷媒ガスに混入されており、システム内を循環している。)コンプレッサー手前の低圧側管は冷たく、冷媒が圧縮された高圧側管は熱い。
軽自動車のエアコンコンプレッサーの寿命は、一般的に7年〜10年、または走行距離10万km前後が目安。法定耐用年数が7年であるため、これを目安に故障リスクが高まる。
コンデンサー(凝縮器)
コンプレッサーで圧縮された高温・高圧のガス状冷媒を冷却し液化させる部分。
レシーバー(受液器)
レシーバータンクなどとも呼ばれ、液体となった冷媒を一時蓄える。同時に冷媒に含まれる水分やゴミを取り除き、冷媒を潤滑に供給する。
エキスパンションバルブ(膨張弁)
一種の絞り弁であり、エバポレーター内を低圧室にする関所のような働きをする。コンデンサーからの高圧液状冷媒をわずかな隙間からエバポレーター内に吹き出し、低圧・低温の霧状にしてエバポレーターでの急激蒸発を容易にしている。構造上、ゴミや氷結した水分などの異物が詰まりやすい。また圧力がかかるパーツなので入口側の配管接続部のOリングが劣化するとガスが漏れやすい。
良くある症状の冷媒ガスが抜けて効きが悪くなったという事は、上記の各機器への接続部のOリングがダメになって漏れていたり、コンデンサやエバポレーターの劣化で亀裂やピンホールが空いている事が原因です。ガス漏れの際にはコンプレッサーの潤滑用のオイルもガスと一緒に抜けており、何度もガス補充をして凌いでいると潤滑用オイル(軽自動車だと100cc程度)が足りなくなりコンプレッサーが焼付くという最悪の事態を引き起こします。これが最悪な理由は、焼付いた際に破損した鉄粉が冷媒のラインに混入し上記の各機器に詰まり、機器及び配管の全交換(10万以上)をしないと機能しなくなってしまうからです。なのでガス漏だけと補充を繰り返してはいけないようです。
ウチで扱うような格安車(15~20年落ち車)は今後何年も乗るような車ではないので、出来るだけお金はかけずガス補充などで延命させたいというのが本音ですが、今までの経歴も分かりませんしそもそもがエアコン(=コンプレッサー)の寿命が来ている可能性が高い、という事で簡単な修理は出来ないと仕事にならない、という事ですね。
◎カーエアコンのコンプレッション(圧力)について
エアコンの不具合は高圧、低圧の圧力から診断する事になる。
主な症状と原因は次の通り。※(株)レックス様コンテンツ参照
| 不具合 | 高圧側 | 低圧側 | 現象 | 原因 |
| 冷えない | 低い | 低い | コンプレッサーを止めると高圧低圧とも 同じ値になる | コンプレッサー不良 |
| 冷えない | 高い | 低い | 作動すると高圧が高くなりサイトグラスの 気泡が見える | コンプレッサーとレシーバー 間の詰まり |
| 冷えが悪い | 低い | 低い | サイトグラスに気泡が見える | 冷媒ガス漏れ |
| 冷えが悪い | 低い | 低い | 時間が経つと冷えない、もしくは冷え始める | 水分購入によるエキスパンショウンバルブの詰まり |
| 冷えが悪い | 高い | 通常 | アイドリング時の高圧が高い | 1.コンデンサ不良 2.冷媒へ空気混入 |
| 冷えが悪い | 高い | 通常 | サイトグラスが透明 | 冷媒の過充填 |
高圧・低圧の適正値の目安は下記の通り。
アコンの高圧低圧の圧力に関しては、
「エアコンメンテナンス機器のプロステップ」https://pro-step.co.jp/product/caraircon-proper-pressure/様のコンテンツを参考にさせて頂いております。
作業場の外気温を確認した後、車のタコメーターを見ながらアクセルを踏み、エンジン回転数を1500 ~ 2000rpmにして、エアコンのコンプレッサーがON 時(高圧側圧力が上がり、低圧側圧力が下がっている時)の圧力をチェックします。高圧側と低圧側それぞれの値が各グラフの範囲内に入っていれば、ほぼ適正な圧力であるという事になります。

自分の買ったマニホールドゲージの目盛りはpsiなので変換が必要
1 MPa = 145 psi = 9.87 bar
ウチのゲージ(psi表示)の場合、
気温30度の場合、高圧側は約200~250、低圧側は約17~40
気温25度の場合、高圧190~220、低圧が15~36
気温20度の場合、高圧123~180、低圧が12~33
が適正ということですね。 色々勉強になりました。
