月. 7月 1st, 2024

いきなり作業完了後の動画となります。
100Nmに設定したレンチが測定値約100でクリックしています。
すっかりトルクが落ちて設定値がめちゃくちゃだったのですが、修正出来ました!


自分はホイルのナット締め時にトルクレンチは使っていません。
ホイルナットの規定トルクには結構な幅があって軽自動車なら80~100Nmくらい、小型車は100~120、ホンダの球面ナットや日産は108Nmと規定されていて、要は軽自動車なら約90Nm、小型車なら約110Nmで締めておけばまぁ大丈夫という事です。
それならなおさらトルクレンチがあった方が良いじゃないか、となりますが落とし穴があるんです。
どんなトルクレンチを使っているか?どんな管理をしているか? です。
Amazonなどで扱っている格安トルクレンチでも、買ってきた当初はまず問題なく使用できます。
じゃ、なぜ数万円もするトルクレンチをプロの人達は買うのでしょうか。
簡単ですよね、精度と耐久性の違いです。エンジンのボルトを締めるなら高精度で間違いのないレンチじゃないとエンジン壊れちゃいますもんね。なので校正にも出してきちっとトルク管理をしているんです。
格安トルクレンチは何が違うのかというと、ズバリ、トルクの肝である内蔵スプリングの耐久性です。
プリセット型トルクレンチは使用後トルクを一番緩くして保管なのですが、格安トルクレンチにはそんな注意書きすらありません。(説明書なんてはいってないですからね)
100Nmくらいのところでセットしたままずっと使っているとあっという間にスプリングがへたってトルクが落ちてしまうのです。

そして私もAmazonの4000円の格安トルクレンチ持っています。
でも上記のように信用できないので、トルク管理が必要なときはトルク計測器を使っています。
ストレートのトルクレンチアダプタという物です。Amazonでも販売しています。
いや、それだって信用できるの?という疑問は当然ですが、Youtubeで探してみるとこの計測器をさらにちゃんと測定したりしている方々がいて結構正確なんだそうです。
さて、じゃ格安トルクレンチがどれくらいダメになるかというと、3年間100Nmのままで放置されていたウチのこれは、クリック音がなった時、実測値で72Nmしかありませんでした。3割落ちです。ここまで落ちたらどんな素人でも「変だな?」って気がつきますけど、1割落ちくらいだとそのまま使ってしまうのではないでしょうか。先に書いたようにホイルナットなら規定トルクの幅があるので1割落ちでも下限には入っていると思いますが本人が思っているより緩いことは確かです。
なので話が最初に戻りますが、十字レンチで締めた時の感覚を測定して、自分の腕力をだいたいの基準にしています。
「あらよっ」って締めた時が90Nmくらい
「フンッ!」って締めた時で110Nmくらい
「オリャッツ!」で130Nmくらいです。
自分の車いじっている時はこれでいいんでしょうけど、他の方が見ている時は「あれ、トルクレンチでちゃんと締めないのかな?」って不安に思われる事もあると思いますので、一応トルクレンチも用意してあるんです。トルク測定器で目的のトルクになるように調整し固定してから使用していました。つまり100Nmで締めている(クリックする)のに目盛りは140Nmとかだったのです。
それも正直気持ち悪いので、目盛りの調整が出来ないものかと分解してみたら思いのほか簡単に調整ができたのでその調整方法をアップしておきます。

格安タイプにはこの仕様が多いのじゃないかと思います。
まずは最下部のロック用ツマミを外します。中に脱落防止用のナイロンナットが仕込まれていて手で回しているとそれ以上外れないのかと思ってしまいますがプライヤーでつまんで回せば外れます。この製品はツマミの奥の本体側に小さなピンが2本差込まれていて、このまま本体を起こすとそのピンが脱落しますので気を付けて下さい。
次にノブの下にある六角ナットを外します。結構かたいのでモンキーレンチが必要です。銀色のノブを手で固定しながら回します。
そうすると上のノブ部を回すことによって目盛りの位置調整ができるようになります。
そして先ほど六角ナットを外したネジが切ってある中筒を手で回すとトルクの調整が出来ます。
今回は100Nmで70Nmしかでていませんでしたので、中筒はそのままにノブ部を回して100Nmから70Nmに下げます。そして六角ナットをその位置で締め込めば良いのですが、実はこの際に中筒が回ってしまうとトルクが変わってしまうので、六角レンチを固定してノブ側を締めることになります。そうするとちゃんと締め切った時には先ほど調整した70Nmの所からかなりズレます。
つまり、最後のノブを締めるときに何度くらい回るかを頭に入れて最初の目盛り調整をする必要があります。まぁ一度ではうまくいきませんので何度かチャレンジです。
このネジ部での調整でも範囲を外れてしまう場合はさらに分解を進めてスプリングとセットになっているトルク調整用のワッシャー数を増やしてバネを縮ませる必要があります。
今回は冒頭の動画のように簡易調整だけでなんとかなりました。

せっかく調整したので、ちゃんと一番緩めて保管しておくようにします笑。

By K HIRAI

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